感謝しているのはあなたという「人」に対して
人があなたのために良いことをしてくれると「助けてくれてありがとう」と言う。
感謝の対象は「助け」であり「助け」は「感謝」の目的語である。
しかしイギリス人とアメリカ人は、
彼らが感謝しているのはあなたという「人」であり、あなたが払った「助け」が感謝の理由。
これが西洋の文化の違いであり、言語に表れている。
この違いを知ることは、学生が英語を勉強する上で大きなメリットがある。
慣れることで、英語での表現の理解がスムーズになる。
「泥棒がエマの財布を奪った」というように、英語ではお金は身の外のものでどうでもいい。
実際に被害を受けたのは「人」であり「物」ではない。
だから人のことを先に言って、財布のことを言うべき。
では、ofはここでどんな役割を果たしているのか。ofはここで「失う、離れる」という意味を表している。
前置詞は英語であらゆる面で非常に活躍するタイプの語。
ofは前置詞の中で最も活躍しているといってもいい。少なくとも10以上の意味を表す多彩な前置詞。
The thief robbed Emma of her purse.
この文ではofは「失う、離れる」という意味を表す。
この意味を表すとき、同類の意味を持つ動詞と共に使用されることが多い。
これは「動詞+人 of 物」という英語の「人」を基本とする習慣的な表現に属している。
この法律は彼らの最も基本的な権利を奪うだろう。
この方法は彼らの巨額の債務を解放するだろう。
兵士たちはすでに庶民のパスポートやその他あらゆるタイプの証明書を奪った。
その経験は彼女の監督になる考えを打ち消した。
教授は学生たちが頭を使わずに答えを見つけようとする習慣を改めたいと考えている。
この党派の指導者は職務を免除された。
会社は故意に私たちの年金をだまし取った疑いがある。
(エマはリアムの顔を殴った。)このような状況にも使えるのではないか、というともちろんそう。
「動詞+人 +前置詞+the+ある部位」
イギリス人とアメリカ人は慣習的にいくつかの動詞をこのような固定構文に用いている。
彼らの考えでは行為の受け手はまず「人」であり「部分」とは人間の体の一部にすぎない。
だから「人」と言ってから「部位」と言う流れになる。
hitのこの使い方だけでも簡単に便利に使用できる。
エマは彼女の左腕をひどく殴った。
現場の警察によると、リアム医師の頭は何度か殴られたという。
落石が彼女の頭に当たった。
男は彼女の目を殴った。
弾丸が彼女の胸に当たった。
私たちはその人の顎を打った。
そのガラスは彼女の額に当たった。
エマは彼の顔にびんたをして、傲然と部屋を出て行った。
木の枝が跳ね返って私たちの顔に当たった。
弾丸はちょうど彼女の目の間に当たった。
彼女は泥棒の頭にパンチをくらわした。
take | catch | hold | seize |
pull | hit | cut | strike |
pat | lead |
などがある。
基本的には
- 「ある部位(arm、handなど)をつかむ、受け取る」 — 前置詞はby
- 「back、headなどの硬く突出した部位を指す — 前置詞はon
- 相対的に軟らかく、陥った部位(stomach、faceなど) — 前置詞はin
を使う。
あの女は男の顔を殴った。あの男は彼女の背中を打った。
社長は女の子の子の髪を引っ張って、彼女を事務室に連れて行った。
警察は泥棒の腕をつかんで取り押さえた。
先生はいつも私たちの肩をたたいて一生懸命勉強するように励ましてくれた。
- take 人 by the arm – 誰かの腕をつかんで — hit 人 on the head – 誰かの頭をたたく
- take 人 by the hand – 誰かの手を掴んで — hit 人 on the chin – 誰かの顎をたたく
- take 人 by the throat – 誰かの喉を押さえる — pull 人 by the hand – 誰かの手を引く
- pat 人 on the shoulder – 誰かの肩をたたく — shake 人 by the hand – 誰かの手を握る
- strike 人 in the face – 誰かの顔を殴る — seize 人 by the sleeve – 誰かの袖口をつかむ
- lead 人 by the hand – 誰かの手を引いて — cut 人 in the hand – 誰かの手を切る
社会の進歩に伴い言語も簡潔な方向に発展している。
現代英語では以下の言い方も正しい。
- 「hit / strike」 one’s face = 「hit / strike」 人 in the face — 誰かの顔をたたく
- pat one’s shoulder = pat 人 on the shoulder — 誰かの肩をたたく
- 「catch / seize / take」 one’s arm = 「catch / seize / take」 人 by the arm — 誰かの腕をつかむ
- lead one’s hand = lead 人 by the hand — 誰かの手を引く
- kiss her cheek = kiss her on the cheek — 彼女の頬にキスをする
✕:こう言ってはいけない
Emma hit Liam on his face.I kissed her on her cheek.
- 「hit / strike」 one’s face = 「hit / strike」 人 in the face — 誰かの顔を撃つ
- pat one’s shoulder = pat 人 on the shoulder — 誰かの肩をたたく
- 「catch / seize / take」 one’s arm = 「catch / seize / take」 人 by the arm — 誰かの腕をつかむ
- lead one’s hand = lead 人 by the hand — 誰かの手を引く
- kiss her cheek = kiss her on the cheek — 彼女の頬にキスをする