限定形容詞と叙述形容詞
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形容詞 — 名詞の性質や状態を表す。「限定形容詞(形容詞の限定用法とも呼ばれる)・叙述形容詞(形容詞の叙述用法とも呼ばれる)」2つの使い方がある。
- 限定形容詞 — 名詞を修飾する(被修飾名詞や代名詞の性質や状態をより分かりやすく伝えるために必要な修飾語)。その単語を取り除くと意味が不明確・不完全になったり変化したりすることがよくある。
- 叙述形容詞 — 補語として名詞を説明する(被修飾名詞や代名詞に対する付加的な説明)。絶対に必要というわけではなく削除しても文としては成立する。ただし、意味は伝わりにくくなることもある。通常、「被修飾名詞とはカンマで区切られる」。
形容詞の比較:
The travellers knowing about the floods took another road.
洪水のことを知っていた旅行者たちは別の道を通った。
洪水のことを知っていた旅行者たちは別の道を通った。
The travellers,knowing about the floods,took another road.
旅行者たちは洪水のことを知って別の道を通った。
旅行者たちは洪水のことを知って別の道を通った。
限定形容詞と叙述形容詞の区別
形式が異なる
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- 限定形容詞 — 主節と従属節の間はカンマで区切らず、口語で使用する時も休止がない
- 叙述形容詞 — 主節と従属節の間は通常カンマがあり、口語で使用する時は休止がある
The girls wanting to play tennis were disappointed when it rained.
テニスをしたいと思っていた女の子たちは雨でがっかりした。
テニスをしたいと思っていた女の子たちは雨でがっかりした。
The girls,wanting to play tennis,were disappointed when it rained.
その女の子たちはテニスをしようとしたが、雨が降ってがっかりした。
その女の子たちはテニスをしようとしたが、雨が降ってがっかりした。
機能が異なる
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- 限定形容詞の従属節 — 先行詞の意味を「修飾・限定・識別」するために使用される。削除すると文の意味・概念が不明確・不完全になる
- 叙述形容詞の従属節 — 先行詞に対する補足説明の役割を果たすために使用される。省略しても文としては成立し、完全である
People who take physical exercise live longer.
運動をする人は長生きする。(従属節が削除されると文の意味が失われる)
運動をする人は長生きする。(従属節が削除されると文の意味が失われる)
Her son,who is in Germany now,is coming home next week.
彼女の息子は今ドイツにいて、来週帰ってくる。(従属節が削除されても意味は成立)
彼女の息子は今ドイツにいて、来週帰ってくる。(従属節が削除されても意味は成立)
翻訳の違い
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形容詞の従属節を翻訳する際には、一般的に
- 限定形容詞の従属節 — 修飾された先行詞の前に訳す
- 叙述形容詞の従属節 — 主節から分離して訳す
She is the woman whose car was stolen.
彼女は車が盗まれた人だ。
彼女は車が盗まれた人だ。
We’ve invited Liam,who lives in the next flat.
私たちはリアムを誘ったが、彼は隣に住んでいる。
私たちはリアムを誘ったが、彼は隣に住んでいる。
意味の違い
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カンマで区切るか区切らないかで指している対象の全体数に違いがある。
- カンマで区切らない(限定形容詞) — 指している対象だけとは限らない(何人かいる内の一人)。
- カンマで区切る(叙述形容詞) — 指している対象だけ(全て)。
We have a sister who is a doctor.
私たちには医者の姉がいる。(姉は一人ではない)
私たちには医者の姉がいる。(姉は一人ではない)
We have a sister,who is a doctor.
私たちにはお姉さんがいて、彼女は医者になっている。(姉は一人だけ)
私たちにはお姉さんがいて、彼女は医者になっている。(姉は一人だけ)
先行詞が異なる
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- 限定形容詞の従属節の先行詞 — 名詞または代名詞のみ。
- 叙述形容詞の従属節の先行詞 — 「名詞・代名詞・句・文」になる。
- 先行詞が固有名詞または他の一意性を持つ一般名詞 — 限定形容詞の従属節ではなく、叙述形容詞の従属節を使用することが一般的。
Liam drove too fast,which was dangerous.
リアムは運転する際にスピードを出しすぎる、これは危険。(whichは「drive too fast」のこと)
リアムは運転する際にスピードを出しすぎる、これは危険。(whichは「drive too fast」のこと)
She changed her mind,which made us very angry.
彼女が考えを変えたことに、私たちは腹が立った。(whichは主節全体を指す)
彼女が考えを変えたことに、私たちは腹が立った。(whichは主節全体を指す)
Mr.Liam,who is their boss,will leave for Brasil next week.
彼らの上司であるリアムさんは来週ブラジルへ出発する。(先行詞は固有名詞。叙述形容詞の従属節で修飾する)
彼らの上司であるリアムさんは来週ブラジルへ出発する。(先行詞は固有名詞。叙述形容詞の従属節で修飾する)
His father,who has a lot of money,wishes him to study abroad.
彼の父は金持ちで、海外で勉強してほしいと思っている。(先行詞は一意な意味を表す普通名詞。叙述形容詞の従属節で修飾する)
彼の父は金持ちで、海外で勉強してほしいと思っている。(先行詞は一意な意味を表す普通名詞。叙述形容詞の従属節で修飾する)
関係詞が異なる
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関係詞「thatとwhy」は限定形容詞の従属節に用いることができる。通常は叙述形容詞の従属節に用いられない。
- 限定形容詞の従属節 — 関係詞は省略することができる。
- 叙述形容詞の従属節 — 関係詞は省略しない。
My girl likes a streaming video (that) makes her want to sing.
私の娘は歌いたくなるストリーミングビデオが好き。
私の娘は歌いたくなるストリーミングビデオが好き。
There is no reason (why) you don’t do fishing .
釣りをしない理由はない。
釣りをしない理由はない。