形容詞はその意味、特徴によって
- 段階的形容詞
- 非段階的形容詞
に分けることができる
- 段階的形容詞(gradable adjectives) — 程度が変えられる形容詞(年齢やサイズなどの程度を示すことができる)。比較級や最上級が作れる
- 非段階的形容詞(non-gradable adjectives) — 程度が変えられない形容詞(完全に存在する、存在しないの2つになる)。比較級や最上級は作れない
使える副詞にも違いがあり、基本的に
- 段階的形容詞(gradable adjectives) — 程度が変えられる副詞(grading adverbs)
- 非段階的形容詞(non-gradable adjectives) — 程度が変えられない副詞(non-grading adverbs)
具体的な副詞
extremely | very | a little |
somewhat | kind of | sort of |
almost | absolutely | mainly |
totally | completely | utterly |
terribley | unbelievably | unquestionably |
quite | pretty | really |
rather | fairly |
がある。
段階的形容詞(gradable adjectives)の使い方と特徴
段階的形容詞とは
その意味が異なる程度(段階)を分けることができる形容詞を指す(英語ではほとんどの形容詞がこのカテゴリに属する)。
例えば「hot」だと
「a little hot(少し暑い)」から「very hot(すごく暑い)」まで程度を示すことができる。
段階的形容詞の主な特徴は
- 程度副詞の修飾「very big/rather cold」などを受けることができる。
- ほとんどの形容詞は比較級や最上級「better/best/larger/largest」などに使用できる。
程度の差があり分けることができる段階的形容詞
「意味的に程度の差があり」分けることができる形容詞を指す。
段階的形容詞の異なる程度(段階)を表すには、程度副詞を用いて表すことができる。
- a little hot(少し暑い)
- quite hot(かなり暑い)
- very hot(すごく暑い)
- extremely hot(極端に暑い)
段階的形容詞の程度(段階)を説明する副詞は以下の3種類に分けることができる。
程度の上端を指す
- very
- quite
- too
- enough
- extremely
- unusually
などを使う
今日は天気が暑すぎた。
それは非常に退屈な仕事だ。
彼女はとても美しい女優。
彼は非常に背の高いバスケットボール選手。
異常に暑いね。
程度の中端を指す
- quite
- rather
- fairly
- pretty
などを使う
それはとても高い。
私たちはかなりお腹が空いている。
リアムはかなり高価な時計を持っている。
ガレージのある彼らの家はかなり大きい。
- アメリカ英語 — quiteの語調が強くveryの意味を表す。段階的形容詞の上端の意味を説明することができる。
- イギリス英語 — quiteの意味は相対的に弱くfairlyの意味に相当。主に段階的形容詞の中端の意味を説明するために使用される。
- アメリカ人が「The new shirt was quite nice.」 — それにとても満足しているかもしれない
- イギリス人が「The new shirt was quite nice.」 — あまり悪くないと言っているだけかもしれない。まあまあ。
程度の下端を指す
- a bit
- a little
- slightly
などを使う
彼女は少し体調がよくなった。
彼女は少し体調が悪い。
この地域は少し曇っている。
否定文では両者の意味の違いが大きい。
We’re not a bit tired.
私たちは少しも疲れていない。(not a bit == ちっとも)
We’re not a little tired.
私たちはとても疲れている。(not a little == 非常)
非段階的形容詞(non-gradable adjectives)の使い方と特徴
非段階的形容詞とは
その意味が程度(段階)を分けることができない形容詞を指す。
通常は程度副詞とは併用されず。
基本的には比較級や最上級にも使用されない。
形容詞のほんの一部が非段階的形容詞に属している。
例えば
atomic(原子の)は非段階的形容詞であり、ある物(対象)は
- 原子の(atomic)
- 非原子の(not atomic)
どちらかであり、その間に程度(段階)がなく分けることができない。
atomic physics(原子物理学)と言ってもいいが、
- very atomic physicsとは言えず
- more atomic physicsなどとも言えない
deadも同じく
- 死んだ(dead)
- 死んでいない(not dead)
どちらかであり、その間に程度(段階)がなく分けることができない。(日本語なら「死にかけている」で使えそうな気はするけども)
程度の差がなく分けることができない非段階的形容詞
程度が変えられる副詞(grading adverbs)「very/extremely/a little」と一緒に使うことはできない。
perfect(完璧な) | impossible(不可能な) | full(満たされた) |
empty(空の) | unique(唯一の) | enough(十分な) |
flawless(完璧な) | right(正しい) | wrong(間違った) |
sure(確信的) | certain(確信的) | different(異なる) |
ruined(倒れる) | destroyed(破壊された) | dead(死んだ) |
など。
非段階的形容詞は通常、比較級や最上級で使うことはできない。
非段階的形容詞の意味を強化するには次のような副詞を使用する。
quite(完全) | completely(完全) | absolutely(絶対) |
altogether(完全) | entirely(完全) | totally(完全) |
really(本当に) | utterly(完全) | totally(完全) |
など
彼らは完全に間違っている。
これは全く不可能だ。
劇場はまだ満員ではない。
それはまったく別のことだ。
あなたの仕事は本当に完璧。
私たちの街は昨日の大地震で完全に破壊された。
名詞を分類する形容詞(classifying adjective)
修飾される名詞の名詞を分類する形容詞は通常、非段階的形容詞。
次のような形容詞がある。
単語 | 意味 |
---|---|
daily | 毎日の |
monthly | 毎月の |
yearly | 毎年の |
単語 | 意味 |
---|---|
north | 北方 |
south | 南方 |
east | 東方 |
単語 | 意味 |
---|---|
Japanese | 日本人 |
American | アメリカ人 |
Chinese | 中国人 |
単語 | 意味 |
---|---|
male | 男性的 |
female | 女性的 |
androgynous | 中性的 |
単語 | 意味 |
---|---|
northern | 北向き |
southern | 南向き |
western | 西向き |
単語 | 意味 |
---|---|
electric | 電気的・エレクトリック |
medical | 医学的 |
physical | 物理的 |
極限形容詞(extreme adjectives)
その意味がすでに
- 絶対的な意味
- 限界的な意味
- 「とても」という意味
を含む形容詞を指す。
非段階的形容詞(non-gradable adjectives)に属する。
程度が変えられる副詞(grading adverbs)「very/extremely/a little」と一緒に使うことはできない。
huge | tiny | ecstatic | miserable |
furious | hilarious | exhausted | excellent |
freezing | boiling | delicious | gorgeous |
wonderful |
極限形容詞は通常、比較級や最上級で使うことはできない。
形容詞自体がすでに「完全・最高・最大・究極・極限・限界」の意味を含むため。
極限形容詞の意味を強化するには次のような副詞を使用する。
quite(完全) | completely(完全) | absolutely(絶対) |
altogether(全部) | entirely(完全) | totally(完全) |
really(本当に) | utterly(完全) |
など
ちょっとした事故は気にしないでね。
私たちは今日野球をして完全に疲れ果てた。
彼女のプロジェクトは本当に素晴らしかった。
彼女は猫と一緒にとても豪華なソファに座っている。
私たちは本当に凍えるような寒い建物に入った。
私たちは彼女の素晴らしい仕事にとても驚いた。
段階的形容詞と非段階的形容詞の区分も絶対的ではない
段階的形容詞と非段階的形容詞の区分も絶対的ではない。
同じ形容詞が異なる文脈で段階的形容詞と非段階的形容詞として用いてもよい場合もある。
ある形容詞は異なる文脈の中で
- 程度を表すこともできる
- 限度を表すこともできる
そのグラスをこぼさないように注意してほしい。もういっぱいだから。(fullは程度を表す。veryで修飾)
もう席がないので、劇場は完全に満席になった。(fullは限度を表す。completelyで修飾)
国名から派生した国籍を表す形容詞「Japanese/Chinese/French/American/British」などは
- 通常 — 非段階的形容詞
- 一人の振る舞いを表す場合 — 段階的形容詞としても使用できる
彼女の振る舞いはアメリカ人に似ている。
彼女はアメリカ人よりもイギリス人に似ている。
どちらでも使えるquite
- 段階的形容詞と共に使用することもできるし
- 非段階的形容詞と共に使用することもできる
しかし2つの使い方ではquiteの意味は異なる。
段階的形容詞と共に使用する場合「かなり」を意味し
- quite good(かなり良い)
- quite cheap(かなり安い)
- quite cold(かなり寒い)
非段階的形容詞と共に使用する場合「完全」「絶対」を意味し
- quite impossible(完全に不可能)
- quite unique(唯一無二)
- quite different(完全に異なる)
となる。
限界に近い意味を表す
「almost(ほとんど)/nearly(差が多くない)」などを使う
それはほとんど空。
その目的を達成することはほぼ不可能。